国際シンポジウム
デジタル・ヒューマニティーズと研究基盤
欧州と日本の最新トレンド
開催趣旨
デジタル・ヒューマニティーズ(DH)が国際的な潮流となって20年が経とうとしています。日本でも、多くの大学や研究機関がDH研究をすでに始めていますが、将来に向けてDH研究を持続的に拡大していくには、人文学のためのデジタル研究基盤が不可欠です。また、研究機関・研究者の連携を進め、人材育成を行っていくことも求められています。そこで、欧州全体の人文学のデジタル研究基盤として世界の最先端を切り開くDARIAH- EU(※)において、リーダーを務める Toma Tasovac氏の来日講演会を企画しました。またこれを機会に、日本におけるDHおよびそれを支える研究基盤の最新動向も把握できるよう、日本の研究教育機関やグループによるポスター・デモ展示も行います。世界と日本のDH研究と研究基盤、そして人材育成の動向を一望し、情報交換や研究交流を進める場としてご参加ください。
※欧州連合(EU)が推進する欧州研究基盤コンソーシアム(ERIC)傘下の欧州人文学デジタルインフラプロジェクト
共催
一般財団法人人文情報学研究所/人間文化研究機構DH推進室/ROIS-DS人文学オープンデータ共同利用センター(CODH) /国立歴史民俗博物館・メタ資料学研究センター /東京大学大学院人文社会系研究科次世代人文学開発センター人文情報学部門/科学研究費補助金基盤(A)「汎用性から専門性へ――デジタル媒体における仏教学知識環境の新局面 (JP23H00002)」/同基盤(B)「人文学の研究方法論に基づく日本の歴史的テキストのためのデータ構造化手法の開発 (JP23H03696)」
ベオグラード・デジタル・ヒューマニティーズ・センター(BCDH)ディレクター、汎欧州人文・芸術デジタル研究基盤(DARIAH)ディレクター。比較文学を学問的背景とし、ハーバード大学、プリンストン大学、トリニティ・カレッジ・ダブリンで学位を取得した。Tasovac氏の専門分野は、古辞書学、言語資源の開発、データモデリング、デジタル編集版、研究インフラ等である。TEI Lex-0: A baseline encoding format for lexicographic dataの共同開発者であり、TEIコンソーシアムより2020年TEI Rahtz Prizeを受賞。欧州研究評議会(ERC)、Europeana Research、JPI Cultural Heritageなど数多くの主要な国際機関の委員を務める。Erasmus+、Horizon 2020、Horizon Europe、全米人文学基金など、国内外から資金提供を受けた数多くのDHプロジェクトで主導的な役割を果たしている。
プログラム
総合司会 西岡千文(国立情報学研究所)
13:00 冒頭挨拶 木部暢子(人間文化研究機構 機構長)
13:20~14:20 基調講演 Toma Tasovac (DARIAH Director) 同時通訳付き
14:40~15:40 人文学のためのデジタル研究基盤及びDHの人材育成に関する事例報告
中川奈津子(人間文化研究機構国立国語研究所)
大向一輝(東京大学大学院人文社会系研究科)
吉賀夏子(大阪大学大学院人文学研究科人文学林)
北本朝展(ROIS-DS人文学オープンデータ共同利用センター(CODH)/国立情報学研究所)
15:40~17:00 ポスター・デモンストレーションセッション(ショートプレゼンあり)
ショートプレゼン司会:永崎研宣
九州大学 人文科学研究院/ Kyushu University
ウェル・ビーイングの実現を目指す人文学×データサイエンス(土持貴志、髙城隆一、増田正彦、夏目宗幸)
岡山大学/ Okayama University
岡山大学におけるデジタルヒューマニティーズ教育の実績と展望(阿部匡伸、石田友梨)
大阪大学大学院人文学研究科/ Osaka University
大阪大学における共同研究プロジェクト『テクストマイニングとデジタルヒューマニティーズ』の歩み(田畑 智司、吉賀 夏子、ホドシチェク ボル、菅原 裕輝)
関西大学アジアオープンリサーチセンター/ KU-ORCAS
関西大学KU-ORCASの活動について(二階堂善弘(関西大学KU-ORCASセンター長) )
国立民族学博物館/ National Museum of Ethnology
地域研究デジタルライブラリの構築・活用と人文学研究者への支援手法 (石山 俊、丸川 雄三)
国際日本文化研究センター/ International Research Center for Japanese Studies
日文研のデータベース:特色ある資料とその利用(光平有希)
立命館大学アート・リサーチセンター/ Ritsumeikan University
Japanese old maps online/日本の古地図オンライン (山内啓之、矢野桂司 )
総合地球環境学研究所/ Research Institute for Humanity and Nature
地球環境学ビジュアルキーワードマップ(VKM)の紹介(大谷通高、熊澤輝一)
同志社大学文化情報学部 / Doshisha University
同志社大学文化情報学部におけるデジタルヒューマニティーズ教育の試み(深川大路、福田智子、Gaétan Rappo)
京都大学大学院文学研究科 文化遺産学・人文知連携センター 人文知連携拠点/ Kyoto University
人文社会系研究のためのデジタル的研究手法の普及(喜多千草、藤本花音、徐勤)
京都大学人文科学研究所附属人文情報学創新センター/ Kyoto University
東アジア人文情報学から人文情報学イノベーションへ(安岡孝一)
名古屋大学 大学院人文学研究科/ Nagoya University
名古屋大学のデジタル・ヒューマニティーズ(岩崎陽一)
名古屋大学大学院法学研究科/ Nagoya University・日本研究のための歴史情報プロジェクト
データサイエンスを目的とした『人事興信録』のデータベース化(佐野智也 )
群馬県立女子大学 文学部 文化情報学科/ Gunma Prefectural Women's University
群馬県立女子大学 文化情報学科でのDH教育・研究(鈴木親彦)
国文学研究資料館/ National Institute of Japanese Literature
『国書総目録』をこえて―国書データベースの挑戦― (幾浦裕之、松田訓典)
国文学研究資料館 古典籍データ駆動研究センター/ National Institute of Japanese Literature
古典籍データ駆動研究基盤のためのTEI/XMLデータ作成:廣瀬本万葉集を中心に(菊池信彦)
国立国語研究所/ National Institute for Japanese Language and Linguistics
国立国語研究所「通時コーパス」プロジェクトの展開(小木曽智信、竹内綾乃 )
東京外国語大学アジア・アフリカ言語文化研究所/ Tokyo University of Foreign Studies, ILCAA
アジア・アフリカの研究資源を構築して25年(塩原朝子、渡辺己(東京外国語大学アジア・アフリカ言語文化研究所)、髙橋洋成(東京外国語大学フィールドサイエンスコモンズ))
早稲田大学/ Waseda University
Teaching large DH programming courses at Waseda University (Emily Ohman)
国立国会図書館/ National Diet Library
資料の「中身」を調べるための実験サービス―国立国会図書館のラボ活動―(青池亨)
慶應義塾ミュージアム・コモンズ/ Keio Museum Commons
大学美術館の空間を活用した学生主体のDHプロジェクト(KeMCoM:ケムコム)の実践(宮北剛己、KeMCoMプロジェクトメンバー(北川栞、大平早紀、張鳴軒))
ROIS-DS人文学オープンデータ共同利用センター
CODHにおけるデジタル・ヒストリー研究基盤の紹介(小川潤)
一般財団法人人文情報学研究所/ International Institute for Digital Humanities
国内外のDHをつなぐ取組み:メールマガジン『人文情報学月報』を中心として(永崎研宣)
東京大学史料編纂所/ The University of Tokyo, Historiographical Institute
日本史史料データワークフローの自動化に向けた取組(山田太造、中村覚、劉冠偉)
東京大学附属図書館/ University of Tokyo Library System
東京大学デジタルアーカイブズ構築事業(斉藤涼)
東京大学大学院人文社会系研究科・文学部附属次世代人文学開発センター人文情報学部門/ The University of Tokyo, DH in the Graduate school of Humanities and Sociology
東京大学のDH研究教育(大向一輝、塚越柚季)
筑波大学附属図書館/ University of Tsukuba Library
筑波大学附属図書館における図書館システムとIIIF対応デジタルアーカイブの連係(和氣愛仁(筑波大学人文社会系)、真中孝行、関戸麻衣、田村香代子(筑波大学学術情報部情報企画課))
筑波大学人文社会系・図書館メディア系/ University of Tsukuba
筑波大学におけるDH教育(宇陀則彦(筑波大学図書館情報メディア系)、堤智昭、三原鉄也(筑波大学人文社会系) )
人間文化研究機構国立歴史民俗博物館/ National Museum of Japanese History
国立歴史民俗博物館が構築する地域歴史情報基盤システム「khirin」 (亀田尭宙、後藤真)
HuTimeプロジェクト/ HuTime Project
HuTimeプロジェクト:時間情報のための基盤データとツール開発(関野樹)
みんなで翻刻
みんなで翻刻:歴史文献資料の市民参加型翻刻プラットフォーム(橋本雄太、加納靖之)
SAT大蔵経データベース研究会/ SAT Daizokyo Database Project
仏教研究のためのデジタル研究基盤構築:テキストDB開発から国際標準規格策定への参画まで(永崎研宣、下田正弘)
17:10~ 特別報告
名子学(文部科学省 研究振興局振興企画課学術企画室長、人文科学・社会科学振興室長)
17:35~18:00 総合ディスカッション/司会:後藤真(人間文化研究機構国立歴史民俗博物館)
18:00 終了挨拶 下田正弘(武蔵野大学教授/東京大学名誉教授/一般財団法人人文情報学研究所代表理事)